堺意外史

Vol.29 鉄砲町に“銃を投げ出して倒れる兵士”

 北旅篭町にある鉄砲鍛治屋敷跡には、多くの火縄銃・懐銃や抱え筒に大筒、それに日本一といわれる大ふいごや諸大名に運送した際に使われた御用札が保存されている。かつてこの付近に多くの鉄砲鍛冶屋が並んでいたという。代表する芝辻家の記録には、戦国時代がすでに終り、平和な江戸時代に入っている明暦3年(1657)に全国から4535挺の注文があったといわれるから、最盛期には年間1万挺を超えていたと思われる。1543年ポルトガル人が種子島に伝えた鉄砲が、わずかの間に普及、堺が国内最大の生産と供給地になったのは、戦争に明けくれていた動乱時代の需要があったからである。戦争が武器を発達させ、商人が稼ぎ、その結果、大坂夏の陣(1615年)で、町が崩壊した経験はその後も生かされていない。

 南海電鉄七道駅付近の鉄砲町の地名は、江戸時代の試射場があったからで駅前広場周辺の歩道柵には、ファシズムに対して戦ったスペイン市民戦争で共和国兵士が倒れる決定的瞬間を写したロバート・キャパの写真のまるで続きのような、兵士が銃を投げ出して倒れる姿を透かしパネルにして随所にはめ込まれている。反戦の意味が込められて製作されたのかどうかは分からない。

(南海本線七道駅前)

<< 前のコラムを読む [ 一覧へ戻る ] 次のコラムを読む >>

[ ページトップへ戻る ]

※ 各コンテンツのURLは整理のために変更になることがあります。
  ブックマークはトップページにお願い致します。
※ サイト内コンテンツの無断転載はご遠慮下さい。

ホウユウ株式会社
〒590-0982 大阪府堺市堺区海山町1-8-4
TEL 072-227-8231 / FAX 072-224-1466